先週は、コラム執筆100日目を迎えた記念すべき日からスタートした。
コラムを書き始めた頃、「520字で、さくっと読めるものを」と決めていたのに、1000字を超えることが当たり前になっている。書き始めると、どんどん膨らんで想定の2倍、3倍になってしまうのだ。
読む人も大変だろうと思い、試しに「文化財と物語」は3つに分けてみた。だが、その後はなんとなく分けられずにまた1000字以上の塊のまま公開している。今は、自然に任せようと思う。
今週は、文化財の学会に向けた準備から、現地での発表、そして帰ってからのレポート執筆まで、まさに「学会漬け」の日々だった。
その一方で、出張先でPRのお客様方と連絡を取り合い、PRプロデューサーとして伴走させていただいていた。
車での移動は、長いときで9時間にも及んだ。ネットにさえつながれば場所を問わず仕事ができる。急ぎの案件も入り、助手席でPCを開いて普段と変わらぬスタイルで仕事をさせてもらった。
学会会場では、奈良時代に遡る文化財の研究発表を聞きながら、これから生まれる舞台や物語に思いを馳せ、あらためて「過去」と「未来」の文化の交差点に自分が立っていることを噛み締めた。
「この場所にいるからこそ、語れることがあるのかもしれない。」改めてそんな思いが芽生える。
「過去」と「未来」が静かに描く円環を、同時代に生きる友人たちと肩を並べて眺めているような、どこか心楽しい1週間だった。
- 6/9 No.100「”書かなかったこと”を思う」 毎日のコラム執筆で気づいた健全な忘却について。
- 6/10 No.101「文化財と物語 (1)」 「なぜ守る?」という問いすら必要としない文化財を保護する人たちと。
- 6/11 No.102「文化財と物語 (2)」 文化財保護は、オリジナルだけが持つ「固有の扉」を守ること。
- 6/12 No.103「文化財と物語 (3)」 私たちのPRは、仏像を中心にした人々の物語を紡ぐ試み。
- 6/13 No.104「法友と梅ジャム」 吉田仏師謹製の梅ジャムは、京都のある禅僧への贈り物。
- 6/14 No.105「蓮糸の衣装と、未来の気配」 「文化の形」かつての姿と、未来の姿。
- 6/15 No.106「文化財とPR」 文化財保存修復学会でのポスター発表に寄せて。
一番読まれていたのは、現代造佛所私記No.106「文化財とPR」