能登半島 被災仏像の応急処置

石川県奥能登地域にて、国の文化財レスキュー事業の一環で、被災された仏像の応急処置に当たってまいりました。

県内外、公私共にたくさんの人にお世話になりました。皆様、本当にありがとうございました。

本事業は、当工房以外にも全国から仏像修理に携わる事業所が被災地入りされています。

他の工房の皆さまも、制限ある中色々とやりくりしながら処置されたと推察しております。出発前に細かな情報提供してくださった方もいて、大変助かりました(今後のためにも、作業について情報交換できるとありがたいなと思っております)。その節はおせわになりました。

石川県は当工房代表仏師の生まれ故郷です。いつもは車で墓参に行くのですが、今回は飛行機で向かうことになりました。

空からはブルーシートや崩れた山肌が、車内からはガードレールに引っかかったまま枯れた草や崩れた家屋、ひび割れた道路などが見え…生々しい地震と水害の痕跡に言葉を失いました。

お伺いした寺院でもそれは同じでした。

仏像の応急処置は、作業しやすいよう現地で皆様がご準備してくださっていて、予定していた作業を無事完了することができました。心より感謝申し上げます。

素晴らしい仏さまの出会いに加え新たな発見もあったりで、能登の豊かな信仰と文化の歴史を肌で感じたことでした。

また、滞在中・帰高後と、さまざまなメディアからもお問合せいただき、慎重に情報共有させていただきました。

「能登のリアルにいろんな角度から光を当てたい」というメディアの皆さまのお志、被災地へ寄り添い応援したいというお心には胸打たれます。

取材にご協力くださった寺院様から以下のようにお声を頂戴し、記者さんに共有させていただきました。

  • (自分の)お寺の事がオンラインにも出て有り難い。
  • お陰様で遠く離れた四国高知で能登半島地震の様子が伝わっている。
  • 高知での新聞に掲載された記事、嬉しく見させてもらいました。
  • 記事の通り、御堂再建の目処は立たない状況ですが、仏様がきちんとした形になれば前進できると思います。

「忘れられるのが一番怖い」という被災地の方のお声が心に深く残っています。PR部門でも、お力になれたらと、高知新聞のコラムでも能登でのエピソードを寄稿させていただきました。

記者さんはみな、口を揃えて「南海トラフ地震がきた時高知はひどいことになるのでは」とリアルな想像をされていました。わたしたちも、能登滞在中高知を重ね合わせて考えることが非常に多かったので共感するばかりでした。

記事が少しでも防災につながることを願います。

雪の季節になりました。皆様の安全とお健やかな日々、そして1日も早い復興を心からお祈りしております。

【報道情報】
11/13 北國新聞
11/13 テレビ金沢
11/16 北陸中日新聞
11/22 高知新聞
12/3 読売新聞(高知版)
12/5 毎日新聞(高知版)
仏教タイムス、共同通信掲載予定

高知新聞コラム「閑人調」
12/2 「能登の仏像」
12/18 「仏と人」

金沢テレビの放送はyoutubeでもご覧いただけます。よろしければぜひご覧ください。