現代造佛所私記 No.46「炭と夜なべと白湯」
「部屋とワイシャツと私」、みたいなタイトルになった。 締切前の仕事に思いのほか時間がかかり、夜更けになった。 少し冷える春の夜。火鉢に火を入れてみようと思い立った。 久しぶりの炭火だ、と思うとワクワクする。良い気分転換に...
「部屋とワイシャツと私」、みたいなタイトルになった。 締切前の仕事に思いのほか時間がかかり、夜更けになった。 少し冷える春の夜。火鉢に火を入れてみようと思い立った。 久しぶりの炭火だ、と思うとワクワクする。良い気分転換に...
春の鳥たちの声が遠くに聞こえる、高知の山間。 人気のない山奥の仏像工房で、一つの像が完成しようとしていた。 「カサ、カサカサ…」薄葉紙の乾いた音が、耳をくすぐる。 傷つけないよう、そっと包みをほどくと、像の朱色の衣がふわ...