カテゴリー: よしだ家歳時記
現代造佛所私記 No.208「栗のお裾分け」
玄関のチャイムが鳴った。 秋風の立ち始めたある朝のこと。扉を開けば、大家さんがそこに立っていらした。手には白いレジ袋。持ち手が中身の重みで、ぴんと張り詰めている。 「これ、栗です。どうぞ」 袋を覗けば、鬼皮に包まれた艶や...
現代造佛所私記No.130「野薔薇の家」
短い梅雨を経て、屋根の上を見上げると、野薔薇の新芽が、空に向かってぐいと手を伸ばしている。その若々しい淡い緑の、なんと屈託のないことか。 この野薔薇は、もともと実家の裏庭に咲いていたものだ。母から20cmほどの小さな一枝...
現代造佛所私記No.89「インターン(16)」
ドイツから来たインターン生・Marieke。工房での作業は、ついに最終日を迎えた。 Mariekeの彫る虚空蔵菩薩の仏頭が、確かな輪郭を現してきた。仕上げはドイツに戻ってからだが、その姿からはすでに作品への深い愛着が伝わ...
現代造佛所私記 No.45「葉桜月詣り」
朝食の準備ができてから、氏神様のもとへ。 今日は月詣りの日だ。結婚してから、よほどのことがない限り夫婦で参拝している。 今年も、桜の季節が通りすぎようとしている。鳥居の脇には葉桜が爽やかに揺れていた。 人が集うのは年に二...








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