現代造佛所私記No.134「干渉し合う生命」
八年ほど前から、わが家の睡蓮鉢には、世代交代をくり返しながら、メダカたちが棲んでいた。 数が増えすぎて、友人に里親になってもらったこともあったが、やがて寿命が訪れ、次第に数は減り、ついにはメダカ不在のまま、今年の夏を迎え...
八年ほど前から、わが家の睡蓮鉢には、世代交代をくり返しながら、メダカたちが棲んでいた。 数が増えすぎて、友人に里親になってもらったこともあったが、やがて寿命が訪れ、次第に数は減り、ついにはメダカ不在のまま、今年の夏を迎え...
午後、Facebookに一つの投稿をアップした。「ことばの種、お預かりします」という、1000日コラムの夏の特別企画である。 これは、誰かがふと思いついた「ひとこと(単語)」をお預かりし、それをもとに私が5つのエッセイを...
ぼんやりと、両目に焦茶色の楕円形が映っている。 それは、黄土色の平面の真ん中に、ちょこんと居座っていた。 私は胡座をかいて、手のひらを重ねて座っている。折り畳んだ足と手を背骨にぶら下げ、城満寺(徳島県)の住職である田村さ...
「こちら、ほぼ100年前のもので……こういう状態ですけど、貸し出し可能です。」 司書の女性がうやうやしく差し出したのは、3冊の古びた書籍だった。タイトルも擦り切れ、背表紙もぐらついている。 図書館の書庫に保管されているそ...