道具

彫刻刀–名工が打ち出す荘厳

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吉田仏師の彫刻刀は、全部で150本以上。 このうち半分近くが「左小信」銘です。 「株式会社 小信」は、知る人ぞ知る創業90年以上の老舗。  現在でも、工房に近づくと小気味好い鍛治の音が聞こえてきます。
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 「10代の頃は小信さんの鑿がよいものということはわかっても、とても手が届かなかった(吉田)」そんな高嶺の花だったブランドですが、左小信の彫刻刀とは岩松工房在籍時代から20年以上のおつきあいとなりました。

 今は、西東京市の工房に仏師本人がお邪魔し、鍛治職人である斎藤さんと直接相談・注文しております。konobu5

 左小信は、効率的なライン生産ではなく、手作業での鍛治仕事。 大量生産で作られた彫刻刀と、職人手作りの鑿の違いは、使い手一人一人との対話からコンマミリ単位で微妙な調整が施されるところにあります。 そんな洗練された職人技と質のよい鋼に、 私共の製作は支えられているのです。