個展「手の中の仏たち」を終えて

吉田安成の初個展「手の中の仏たち」が先日終わった。

会場となった柳橋のルーサイトギャラリーは十年ぐらいのお付き合いだが、行ってなにを買うでもなく台所でお茶を飲みながら(当時はまだカフェは無かった)米山さんや常連さんたちとお喋りしたりして、なんだか人の家に遊びにいくような感じだった。

そもそもなぜルーサイトに行くようになったかというと、内田明夫さんの紹介なのだった。

内田さんは以前麻布十番でアンティークのお店をやっていて、知る人ぞ知る存在だったのだが、六本木ヒルズができたあたりの頃に茅場町に転居し、さらに何年もしないうちに農業がしたいといって長野に行ってしまった人です。

内田さんはなぜか僕のことをかってくれていて、いつかうちで個展やってみる?などと言ってくれていたのだったが、長野に行くことが決まって、さてどうしようとなった時、ルーサイトギャラリーの米山さんを紹介してくれたのだ。

米山さんと初めてお話しをしたときの印象は、なんだかお母さんみたいな感じ、と言うのがいいのかわからないが、面倒見の良さそうな下町の姐さんってこんな感じなのかなと思った。

それ以来、いろいろな作家さんの個展を見に行ったり、常連さん達の誕生日会をやったり(あの時はそんなイベントをやっていた)、ちょくちょく顔を出していた。思い出すと懐かしいですね。

なんやかんやありながらも、ようやく個展ができた。よくぞ今まで待っていてくれたと思う。米山さんには本当に感謝します。

今回の個展には他にも大勢の方にきていただいた。

親類縁者、友人知人をはじめ、弓道関係の方々、日本中の仏像を撮影している写真家の方、現代美術家、京都から仏師の方が来てくれたり、様々な人たちに見ていただけて、これは僕にとって大きな財産となった。
この場をお借りして感謝します。

来年には高知に移りますが、ルーサイトギャラリーで何年か後に個展をやります。そのときはまた、よろしくお願い致します。