1月26日は文化財防火デー! (電気火災予防のチェックリストあり)

昭和24年1月26日、法隆寺(奈良県斑鳩町)で火災があり、金堂の壁画の大部分が焼損しました。この日は、昭和30年に「文化財防火デー」と定められました。毎年文化財を火災から守るための文化財防火の活動が各地で展開され、ニュースなどでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

首里城(沖縄県)や性海寺(兵庫県)、本念寺(秋田県)の火災は記憶に新しいところです。現在、焼損した台座・光背の製作をしている童学寺(徳島県)も大変な火災に見舞われました。被害に遭われましたこと、心よりお見舞い申し上げます。

お寺さんでは蝋燭や線香、護摩など火を扱う機会が多くありますね。火の始末は日頃から気をつけていらっしゃると思いますが、引き続き留意いただくことに加えて、気をつけていただきたいのは電気火災です。

私たちの身近なお寺さんでも、獣害や電化製品の老朽化・劣化などが原因で漏電やショートが起こり、そこからの小火や火災が発生したケースがあります。実は最近、弊所に近いところで林野火災があり、火事は他人事ではないと改めて肝に銘じたところです。

そこで、文化財防火デーをきっかけに防火意識を共有できればと、小規模ではありますが弊所でも防火・消火訓練を実施し、消防士の方に電気火災の予防について伺ってきました。

古い構造ゆえにコンセントが少なく、やむを得ずタコ足配線をしていたり、電気機器も年季が入っていたりする寺院様も多いと思います。異常の早期発見そして火災防止のため、以下の項目をぜひチェックしてみてください。

★電気火災を予防のポイント
□ 許容電流を超えないようできるだけたこ足配線をしない。
□ 電気プラグは奥までしっかり差し込む。
□ コンセント周りににほこりをためない。
□ コンセントに水をかけない。
□ 傷んだ電気コードは新しいものに交換する。
□ 電気機器の用途以外の使い方をしない。正しく使う。
□ 安全基準に適合(PSEマークが目印)した電気機器、コードを使用する。

★電気コードの破損予防の注意点
□ 束ねて使用しない。
□ ひっぱって抜かない。
□ 強く折り曲げたり、踏まなない。

★漏電が疑われる典型的な現象
□ブレーカーがよく落ちる
□電気製品が着いたり消えたりする(電気製品の劣化や故障)

思い当たることがありましたら、ぜひ一度点検してみてください。なお、漏電は自分で調べることもできますが、電気会社に相談するのがその後の対策も含めてスムーズだそうです(消防士さんより)。

文化庁のサイトに、文化財保護に関するチェックリスト「文化財チェックリスト」
「防火対策のガイドライン」がありますので、こちらもあわせてぜひ一度ご覧ください。

工房でも、火事を予防するのが第一として、もし起こった場合にどのように動くのか、消火栓の場所の確認や破損がないか、断水している場合の想定などについて話し合い、チェックしました。

今年は大寒波が予想されていたので、事前に香南市消防本部で防火・消火訓練を実施しました。

設備や環境、マンパワーの課題はありますが、今後も少しずつ改善を重ねていきます。
訓練にご協力いただきました香南市消防本部の皆さま、寒い中誠にありがとうございました。