形を引き立てる彩色と截金

(2014年のコラムを加筆・修正)

「後世に残したいと心動かされる仏像には、お像そのものの品質はもちろんのこと、必ずと言ってよいほど、彩色・截金が施されている」吉田仏師がいいます。

「形が引き立つ彩色とはどのようなものか?」そう考えていた吉田が出会ったのが、東京藝術大学・講師の並木秀俊氏でした。

「この人なら私の意を組んで彩色してくれそうだと感じた。」吉田は、東京藝大で古典技法・材料の研究発表を行っていた並木氏の作品と出合い、すぐに電話をかけたといいます。

吉田の彫りを見て、並木氏は言いました。「吉田さんの(彫る仏像)は本当にかっこいい。こちらまでやる気にさせてくれるんです。私もやはり永く残る物を作りたいですから。」

日本画家・截金師として活躍され、画材や技法確かな知識や経験・技術を持つだけでなく、「仏像の彩色はライフワークである」と話す並木氏。私たちにとって造像チームとして欠かせない、頼りになる存在です。

ぜひ、並木氏による彩色にもご注目ください!
並木氏の彩色が施された作品は、ポートフォリオ「彩色像」でご覧いただけます。