台座の木取り (1)

童学寺(徳島県)の薬師如来坐像の台座と光背の意匠が決定し、台座から着手しました。前回の記事はこちら→「火災で焼けた台座・光背の製作開始」

木材は5年間寝かせておいたストックの中から物色します。
ヒノキで造られたご仏身に合わせて、台座・光背ともヒノキを使います。同じヒノキであっても、今回の台座にふさわしいものを仕上がりをイメージしながら選んできます。

木目や木肌の風合いはもちろんのこと、節のある無し、節があればどこからどこまで及んでいるか等、見えない木の内部を表面の状態から推し量るのは難しいことですが、全方向からじっくり観察します。素地仕上げや木に直接着色する古色仕上げの場合は特に、材木の選定が仕上がりの良し悪しを左右するので大事なところではないでしょうか。

次に、完成予定図から切り出す木の寸法を割り出し、製材していきます。

材木の準備が一番体力を使うかもしれません。木が切り出せたら垂直を取りながら鉋がけしていきます。

6月末に梅雨明けし急に気温が上昇したので、それまでにこの作業に目処がついたのは幸いでした。

自分にとって、鋸引きしたり鉋がけする段階は、気持ちの持ち方や感覚を醸成するプロセスです。荒彫り〜仕上げにかけて大事な時間だなと思います。

台座の木取り (2)へつづく

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