不動三尊(高知県 定福寺蔵)の出開帳に行ってきました

梱包・運搬とご安置

先日修理を終えた不動三尊の出開帳の様子を、梱包・運搬までさかのぼってお伝えしたいと思います。

ご安置先への搬入を控えた4月下旬は天候が不安定で、予報を見ながら晴れた日を選んで梱包しました。搬入当日は100%雨の予報だったため、雨よけをつけて備えました。現地でも搬入路をテントで覆う準備を進めてくださっていたそうです。

大きなご仏身や光背等は、運搬用の担架を作り、サラシや梱包用の綿布団を使って固定しました。

いざ当日になってみると快晴でした。搬入の前日と翌日は大雨だったというのに、お不動様のご加護やご住職のお祈りあってのことなのでしょうね。不思議ですが、仏師や仏像修復家の皆様はよく経験されているんじゃないかと思います。これまで、雨天なのにお運びする間だけ雨が上がるなんていうこともありました。

釣井住職はじめ檀家様もご協力くださり、無事お堂にご安置できました(天井高の関係で今回のご開帳中は光背は設置しておりません)。

出開帳初日

定福寺の釣井住職と吉田仏師

祈りを受け荘厳されたお不動様と二童子様は、修理完成時とは全く違う存在に感じられました。ただただ圧倒されて、修理中のように間近によるのも憚られるほどです。

釣井住職とお話ししたところ、出開帳の直前というタイミングで最高位の不動法を伝授されたそうです。ご住職は毎朝、その修法を行われ、瞑想なさるとのこと。天候だけでなく、修法伝授のタイミングまでもお不動様の手の内にあるようなエピソードです。修理に携わった私たちにとっても、本当にありがたいお知らせでした。

定福寺オリジナルの散華も素敵です。美術院の高田明仏師(吉田の先輩です)が定福寺を思いながら描かれ、長老の龍宏師が言葉を添えられたものです

< 不動三尊 出開帳のお知らせ >

4/28(木)〜5月9日 9:00~16:00
於:定福寺旭観音堂(高知市玉水町62-1)

詳しくは告知画像をご覧ください。
お近くの方は是非お参り下さいませ。