茅という畑の宝剣

一年の半分がすぎました。
2021年下半期、皆様の心身が健やかでありますよう、お祈り申し上げます。

弊所では、6月30日の朝に玄関を清めて小さな茅の輪を飾りました。
朝露に濡れながら畑の脇のカヤを刈っていると、子供の頃に鋭いこの葉で数え切れないほどの傷を作ったことが思い出されました。

茅の輪
軍手をつけて扱いました

それは軍手越しにもわかる鋭さでしたが、この鋭さ自体がカヤを守り、立ち上がりを支えているのですね。

改めて手に取るカヤの、しなやかな逞しさと鋭さ、そして青々とした香り。神聖さとともに、健気さや愛おしささえ感じられ、茅という草に御坐します神に礼拝しながら綯(な)いました。後で調べてみたら、鹿屋野比売神(かやのひめのかみ)という女神様がいらっしゃるそうです。

神仏像の造顕というお役目をいただけることが只々ありがたく、心尽くして奉じたいと願っておりますが、こうして節目に心身軽くなるのを感じると、日々の知らず知らず貯めていた心の澱に気付かされます。

高知県・羽尾の狛犬

2021年前半の締め括りに、鋭い畑の宝剣に心の迷いや不安、穢れを断ち切っていただきました。後半にむけ心新たに励んでまいります。

お朔日詣り
雨のお朔日詣り