仁王像(眞牧山長谷寺 蔵)搬出完了

 去る7月29日、梅雨明けとともに長谷寺山門から仁王像を搬出いたしました。
皆様のご協力により、予定より早く羽尾工房へ運び入れることができ、燻蒸作業にスムーズにうつることができました。

 長谷寺の寺族の皆様はじめ檀信徒様、遠路はるばる応援に駆けつけてくださった美術院時代の先輩Kさん、Yさん、当日心を寄せてくださった皆様、丁寧に取材してくださったメディアの皆様、本当にありがとうございました。

実際に持ち上げてみて初めてわかることもあり、試行錯誤しながらの搬出でした

 現在は燻蒸も終わり、お仁王様には少しお休みいただいている状態です。
今後は修理前の撮影を行った上で修理方針の詳細をつめていく予定で、年内には解体作業に入れるよう進めてまいります。

 じかに触れた仁王像は、少し湿っていて脆い状態でした。
苔の生えた肌、触れると崩れそうな端部……。寺の門番として立ち続けた年月が偲ばれます。ただ、たしかにお傷みの激しい姿ではあれ、運び出しにチェーンブロックや何人もの人手を必要とするほどしっかりと力強く立っておられ、それはそのままお寺と先人のお姿と重なって見えました。

今回は工房内で燻蒸しました。温湿度管理と定期的なガス漏れ・濃度チェックで安全に

 さて、このたびの仁王像修理ですが、単に弊所が修理するだけではなく、「まきでら長谷寺仁王像修復プロジェクト」として動き出しております。これは、次の世代に「まきでら長谷寺」を伝えるプロジェクトでもあります。弊所も、仁王像修理を通して、仏法を護持し次世代にバトンを渡すものとして最善を尽くしてまいりますので、ご指導ご鞭撻いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

 このプロジェクトについての詳細は、「まきでら長谷寺仁王像修復プロジェクト」をぜひご覧ください。28、29日の仁王像搬出の様子も、画像付きでより詳しくご覧いただけます。

どうか、温かいご声援をよろしくお願いいたします。