立春をすぎたら春の支度。
朝晩はまだ冬の様相ですが、陽光の中にほんのり柔らかさを感じたら準備を始めます。
神像のお雛様
この御像はもともと対ではなく、別々に制作した神像でした。
2016年の個展で手元に残ったのですが、「これ、お雛様にしてもいいね」というギャラリーのオーナー様の言葉にヒントを得て、娘の初節句を飾ることに。
毛氈(もうせん)や屏風を誂えると、木肌を引き立てるそこはかとない華やぎも出ました。娘の成長と共に、素地仕上げならではの深みある色になっていくでしょう。
↓こちらはまだ桃の花もなくお雛菓子もない飾り初めの頃。清らかなヒノキの香りが
豊穣の祈りと形代流し(流し雛)
お雛様を飾ったら節句までに形代作り。
節句に、子供の健やかな成長を願うだけでなく、古からの農耕儀礼に倣って米作りに関わる身を清めるためです。
娘は流し雛、私たちは形代流しを、ということで水に溶ける無公害の折り紙で用意しました。
3月3日当日、地元の川辺へ。
流れていく形代を見送りながら、皆の健康と今年の豊作を願いました。
夜は、神像雛を食卓に招いてお祝いの夕餉。
娘の好きなトマトとコーンの入ったちらし寿司、自家製甘酒を皆で楽しみました。
其処此処で春の勢いに眼を見張る今日この頃*。
春を寿ぐ一つ一つの行事に、次の季節に身も心も運ばれていくようです。