安成展を終えて

明治時代、廃仏毀釈が激しかった高知県。

615ヶ寺あった寺院の73%にも登る439ヶ寺が廃寺に追い込まれたことに伴い、多くの仏像も破壊され、相当な数が失われたそうです。

そんな歴史的背景がある高知での初個展。
11/5に無事お開きとなりました。本当にありがとうございました。

3日間という短い会期でしたが、数え切れないほどの出会いに恵まれました。関わってくださったお一人お一人を思い出しつつ、余韻を噛み締めております。

実は、「高知での展覧会はなかなか厳しいよ」と芸術家の方やメディアの方、各方面から噂を聞き、不安を抱えながらのスタートでもありました。

ところが、蓋を開けてみると3日間でのべ約300名ものご来場。そのほとんどが高知在住で、仏像に心惹かれているたくさんの方がお見えになりました。

観音像(桂)の制作時にでた木端を千代紙でお包みしたお守り。 ご来場の記念、そして観音様との結縁にとお持ち帰りいただきました。

今回出会えた皆様のお姿と高知の歴史を重ねると、仏像展を催した甲斐があった、高知に来てよかったと心底思えました。

これからも精進してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

仏師 吉田安成
よしだ造佛所一同