紹介文 内田明夫

吉田安成は若干14歳でとあるきっかけで仏師を志した。

そんな彼と私が知り合ったのは、私が東京・麻布十番で「ギャラリーうちだ」を営んでいた頃で20年ほど前だ。

その折にどんな話をしたのかは記憶にないが、澄んだ目をした青年だったことを覚えている。

その表情からはすでに自らの進む道が定まり、またその道を極めていく覚悟ができているように見受けられた。

彼はいつ会っても「生きる」ということに真摯に立ち向かっていると思わされる青年だった。

ギャラリーに来るたびに、木彫だけでなく乾漆仏など作ったものを色々と持ってきて見せてくれたものだ。

以来現在に至るまで、吉田は立ち止まり振り返りながらも、脇に逸れることも挫けることもなく歩んでいるようだ。

そしてこのことは、2016年にお会いした彼が敬愛する木彫と仏師の師匠お二人の言葉の端々からも、間違いないと確信している。

吉田の彫る仏像、神像あるいは新しいかたちは、奈良、平安の古典に根ざしつつ、作者の魂が入り、人々の求めるものになってゆくと信じて疑わない。

うちだ農場
内田明夫

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